健康寿命を延ばす習慣をつけよう


健康寿命を延ばすために意識したいこと
予防医学は、これからの時代の看護師にとって重要な分野です。平均寿命が延びていくなか、健康寿命をいかに長くできるかが高齢者にとっても社会にとっても取り組むべき課題となっています。
健康寿命と平均寿命の差を小さくしていくためには、生活習慣の見直しからはじめなければなりません。以下で紹介するポイントは、運動、食事、睡眠です。これら3つのポイント以外にも、飲酒や喫煙、口腔内の健康維持などの見直しも検討する必要があるかもしれません。たばこの煙には多くの有害物質と発がん物質が含まれています。喫煙していない人でも、喫煙者が身近にいれば副流煙から有害物質を体内に取り入れてしまうことがあるので注意が必要です。アルコールは、摂取しすぎる状態が続くと身体に深刻な害をもたらしてしまいます。お酒の害だと肝臓がすぐ思い浮かぶかもしれませんが、その他の身体機能にも悪影響を及ぼし、ときには命に関わる事態にまで発展してしまいます。歯周病は全身の病気と関連しているという報告もあり、口腔ケアの重要性が広く認知されるようになっています。

運動
疾患等により運動を制限されている状況でなければ、毎日適度に体を動かす習慣をつけることが健康維持に役立ちます。運動のメニューによって目安となる時間は異なりますが、軽いウォーキングなら1日30分から60分が目安です。64歳までの成人なら、やや負荷をかけた運動を週に60分程度盛り込むとさらに効果的です。65歳以上であれば、軽い運動を毎日40分程度行うのが理想です。
運動をする際は、年齢に関係なく無理は禁物です。体調が悪いと感じたら日課に固執せず、体調回復を最優先にするのが基本です。運動の際には水分補給をしっかり行いましょう。

食事
食事内容は人間の健康を大きく左右します。健康寿命を延ばすためのメニューとして和食が推奨されることが多いのは、主食と副菜で質の良いビタミンやミネラル、タンパク質、脂肪などの栄養素がバランスよく摂取できるからです。
糖分や塩分の摂りすぎは、糖尿病や高血圧などのリスクを高めてしまうので量に気をつけなければなりません。1日の塩分の目安は、男性8g未満、女性7g未満です。健康寿命を意識した食事をするなら、できるだけ野菜を中心としたメニューにし、果物も適度に取り入れるようにしましょう。

睡眠
良質な睡眠は、健康維持に欠かせません。睡眠がしっかり取れると、疲労回復だけでなくストレスの緩和にもつながります。時間を確保することも大切ですが、質の良い睡眠が取れる工夫をしましょう。毎日の睡眠時間がバラバラだと、体内時計が狂って心身に不調をきたしてしまうリスクが高まります。心身の機能を調整するためにも、睡眠の時間と質をしっかりと確保することが重要です。